手作りジャムを趣味として楽しむだけでなく、小規模でもビジネスとして展開し、少量からでも販売をしたい、と考えていませんか?
友人や知り合いから手作りジャムが美味しいと絶賛され、販売を進められたはいいが
イベントや地域のマルシェ、オンラインなどで販売をする際に、どんな許可が必要なのか?
資格は必要なのか?という疑問がある方も多いのではないでしょうか。
手作りジャムは加工食品ということからめんどくさい手続きがあるように思われていますが、実はそんなことはなく
誰でも簡単に販売を開始することができます。
この記事では、手作りジャムを販売するまでの資格や許可について解説をしています。
販売に至るまでには、食品衛生が関係してくるため、しっかりと記事を読み、実践するようにしましょう。
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手作りジャムは農産加工食品に分類される
手作りジャムは農産加工食品です。
手作りジャムは瓶詰などの加工がなされることから密封包装食品と勘違いする人も多いことでしょう。
しかし、密封包装食品業とは違った申請をすることから
手作りジャムは密封包装食品には分類されず、農産加工食品という部類に分類されます。
手作りジャム販売に必要な許可や資格は?
手作りジャムの営業販売には届出と資格が必要です。
これは手作りジャムが密封包装食品業に分類されず、農産加工食品に分類されることが理由になります。
記事をしっかりと読み、届出の提出方法や資格の取得方法を学び、実践していくようにしてください。
手作りジャムを販売するための申請方法と詳細
手作りジャムの販売には営業の届出と食品衛生責任者の資格が必要なことがわかりました。
それではここからは手作りジャムを販売するために必要な届け出と資格の取得方法や手順について解説をしていきます。
食品衛生責任者の資格
手作りジャムを販売するためには食品衛生責任者を置く必要があります。
そして食品衛生責任者になるためには、食品衛生責任者養成講習を受講し、資格を取得しなければなりません。
講習の申し込み
講習の申し込みは食品衛生協会から直接申し込むか、保健所を通して申し込むかで受講することができます。
受講後に簡単な試験がありますが、検定などのような試験ではありません。
受講後に資格が発行されるので、事前の課題や勉強などは必要ないでしょう。
全国の保健所の一覧と各都道府県の講習申し込みのURLを以下に貼っておきますね。
→ 全国保健所一覧表
養成講習は1日で受けることができる
食品衛生責任者養成講習は会場型だと、6時間の講習を1日で受ける必要があります。
会場は食品衛生協会の食品衛生責任者養成講習の申し込みから確認してください。
会場型は1日で終わるため、短期集中で終わらせることができます。
平日に行われることがほとんどですので、平日に抜け出せない、仕事を休めない、といった場合には次に紹介する、eラーニング形式での受講が良いでしょう。
eラーニングで受講することもできる
食品衛生責任者養成講習はオンライン形式のeラーニングで受講することも可能です。
eラーニング形式の場合は、ビデオ動画にて受講することができますが、登録後30日間で6時間の受講する必要があります。
端末にカメラが付いていることが条件となり、事前に確認しておく必要があるでしょう。
配信形式 | ビデオ動画 |
学習時間 | 約6時間(期間内の分割受講可能) |
受講可能期間 | 30日間(登録日から換算) |
必要環境 | インターネット接続 顔認証のできるカメラが付いている端末 (スマートフォン、タブレット、PC等) |
受講料は都道府県によって違う
食品衛生責任者養成講習の受講料は各都道府県により様々です。
取得金額が低い都道府県では6,000円程度でとれるところもありますが、多くは10,000円前後で取得することができます。
ぼくは静岡県での取得をしたので11,000円での受講料でした。
受講料は各都道府県の講習先から確認するようにしてください。
講習が免除される対象
以下の資格を持っている場合は、講習を受けずに食品衛生責任者になることができます。
- 栄養士
- 調理師
- 製菓衛生師
- 食鳥処理衛生管理者
- 船舶調理人
- 医師
- 歯科医師
- 獣医師
- 薬剤師
自身の持つ資格でわからないことがあれば、近くの保健所に確認をとるようにしましょう。
営業の届出
手作りジャムを販売するためには営業の届け出を提出する必要があります。
営業許可と比べ、届出はとても簡単に申請することが可能です。
届出の提出はとてもカンタンですが、わからないことがあった場合は必ず保健所に確認をとっておくことがよいですね。
2つの届出の提出方法
届出の提出には以下の2種類の方法があります。
- 保健所に届出の提出
- 食品衛生申請等システムからのオンライン申請
届出申請の経験がない場合、不安なことも多いと思いますので、最初は保健所に出向いての提出が安心でしょう。
それぞれの提出方法について解説していきますね。
保健所での提出
届出は保健所に直接提出することができます。
自身の販売したいものを保健所の職員に確認をしてもらい、提出するようにしましょう。
食品衛生に関わる部署は「衛生薬務課」というところになります。
ぼくの場合は、食品の相談をさせてもらい、提出はオンラインの食品衛生申請等システムから行うように指示されました。
食品衛生申請等システムからの提出
届出の場合は、ほとんどがこの食品衛生申請等システムからの申請で完結してしまいます。
保健所に出向いた場合、食品衛生申請等システムのURLを教えてもらえると思いますが、以下にURLを貼り付けておきます。
届出なら即日から販売可能
届出は提出後、即日から販売することができます。
許可等の区分ではないため、保健所やシステムからの連絡はなく、届出を提出すればそのまま販売することが可能です。
食品衛生申請等システムから申請することで、自宅から簡単に申請をし、すぐに販売することができます。
届出に必要な費用
届出には基本的に一切費用が発生することはありません。
営業の届出が対象となるものに対しては、掛かる費用は食品衛生責任者養成講習だけ、ということになりますね。
食品衛生責任者養成講習の受講前でも届出の提出は可能
食品衛生申請等システムでは食品衛生責任者養成講習を受ける予定があれば届け出を提出することが可能です。
講習前に届出をするためには条件があり、届出から1年以内に食品衛生者養成講習を受講することとなっているため、期日が過ぎてしまうことには注意しましょう。
1年あれば余裕、と思ってしまった人に注意喚起ですが
食品衛生責任者養成講習は定員があったり、予約で埋まっていたりと予定日に受講できないと期日を過ぎてしまうことも考えられます。
やむない理由以外での欠席はできる限り避けるようにしましょう。
手作りジャムに許可が必要ない理由
食品衛生について知っている人の中には
手作りジャムは加工品なので、密封包装食品製造業に含まれるから許可が必要なのでは?
と思う方もいるのではないでしょうか?
手作りジャム加工は許可ではなく届出の提出で販売することが可能です。
理由は手作りジャム加工は密封包装食品製造業から除外されるからですが
これはpHが4.6以下であることに由来します。
自宅での加工で販売はできる?
手作りジャムは自宅で加工し販売することは可能です。
届出を提出することで、生産加工や販売が可能になりますが、HACCPに沿った衛生管理が必要なことは注意すべき点でしょう。
加工食品の食品表示について
手作りジャムを販売する上で知っておくべきものが、食品の表示をする必要があるかどうかです。
食品表示にも様々な表示がありますが
手作りジャムの場合、表示が必須のものと任意でよいものがあります。
食品表示には、以下のものがありますが、詳しく解説をしていきますね。
- 原材料、添加物
- 期限表示
- 成分表示
ジャム販売に原材料・添加物表示は必須
ジャムを販売するためには食品表示は必須となります。
中でも、原材料と添加物の表示は必須なため、注意が必要です。
表示は以下のように表示をしましょう。
栄養成分は任意
ジャム販売において、栄養成分表示は任意となります。
表示は任意ですが、商品の包装によって、栄養成分表示が必要になる場合があります。
栄養成分表示が必要になる場合
特定の栄養成分が入っていることを包装容器に表示して販売している場合には、栄養成分表示をしなくてはなりません。
「ビタミンⅭたっぷり」「食物繊維たっぷり」などといった表示をして販売する場合には、栄養成分表示をするようにしましょう。
「シュガーレス」などといった特定の栄養成分に関して表示する場合も栄養成分の表示が必要になるので注意が必要ですね。
表示方法については以下を参照してください。
賞味期限の表示
賞味期限の表示は販売者が任意で決めることができます。
表示不要ではありますが、できる限り記載があると消費者としては安心であることは間違いないでしょう。
賞味期限は販売者自身が決めることができます。
美味しく食べることのできる期限を余裕をもって表示しておくのがよいですね。
保存方法の表示
食品表示には期限を担保する保存条件を記載しておく必要があります。
手作りジャムの場合、未開封では常温での保存になるため、「直射日光を避け、常温で保存」といった表記を用いるようにしましょう。
「開封後は冷蔵庫で保管」といった表示をしてもOKです。
手作りジャムの販売を成功させるポイント
販売許可のことは分かった。
しかし、販売を始めたからといって、手作りジャムが飛ぶように売れるということは残念ながらありません。
手作りジャムの販売を成功させるためには目を引くポイントを設け訴求をするといった方法があり、コツがあります。
手作りジャム販売を成功させるための訴求ポイントを3つ解説していきますね。
魅力的な商品名
魅力的な商品名は、あなたの作った物をアピールできるチャンスであり、販売に大きく貢献してくれる可能性があります。
あなたの作った商品の魅力や訴求したいポイントなどを商品名にすることで、目に留まった人の興味を惹きつけるでしょう。
実例などでは、「闇落ちトマト」といった、商品がバズったこともあり、商品名がきっかけで大きく販売数量が上がるといったことも考えられます。
おもしろい商品名は考えるだけでワクワクしますよね。
商品名はパッケージを変えれるなら、後から変更することも可能なので、いろいろな商品名で試してみるのも良いでしょう。
パッケージのデザイン
商品名同様にパッケージは目を引くようなデザインにすることで、商品を手に取ってもらいやすくなるでしょう。
具体的にはあなたの商品のターゲットとなるような年代や属性にフォーカスし、デザインを作成することで、相乗効果を生み出し、より購入してもらえるような商品を作ることが可能です。
ジャムの場合、目を引くような商品を見ることは少なく、オシャレな見た目やデザインにすることで、差別化をすることができますね。
季節性や地域性のある商品展開
季節を感じることのできるものや、あなたの住む地域に密接にかかわるもので作るジャムを展開することで、地域や市場への広がりが期待できます。
例えば、あなたの住む地域の特産品の果物を使用したり、はちみつを使用したりすることなどが考えられるでしょう。
あなたの住む町の美味しい果物をジャムにすれば、農商連携での事業を進めることも可能ですよ!
手作りジャムを販売する方法
手作りジャム販売を成功させるためには、商品の訴求以外にも、どこで販売するのか?
ということも重要になってきます。
販売する場所のことをマーケティング用語で「チャネル」といいますが、このチャネルはマーケティングの中でも重要なポジションにあります。
ここでは、販売する経費を抑えた、手作りジャム販売を広げるための方法を2つ紹介します。
マルシェなどに出店
土日など、休日を使いマルシェやイベントに出店することで、知名度をあげることが可能です。
店舗をもって販売をする場合、最初から大きな経費がかかってしまうため
まずは、マルシェやイベントなどであなたが手作りジャムを販売していることを知ってもらう必要があります。
マルシェやイベントなどでは、少なからず人の来客があるため、売上も上がり、ファン化にも繋げることができるでしょう。
商工会に入ると情報が入りやすい
商工会に入ることで販売できる情報や、事業に関することを聞いたり紹介したりしてもらうことができます。
年間10000円ほどのコストがかかりますが、販売を広げたり、販売していることを地域に周知してもらうためには有効な手段となり得ます。
自社のネットショップを作り販売
あなたの販売するネットショップを作っておくことは、信頼性も増し、売上にも貢献してくれる可能性があります。
マルシェやイベントに出店し販売をしている場合
その場での販売はできるのだけど、次に繋がらない…といった悩みが出てくることでしょう。
ネットショップは作っておくだけで、事業としての実態もわかることから
信頼性も増す上に マルシェ→ネットショップ といった顧客の導線を張ることもできます。
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ジャム販売を展開していくためには、決済システムや売上管理、ネットショップ運営が必要になってきます。
小規模事業、個人事業におすすめの決済がsquareです。
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まとめ
手作りジャムの販売許可と資格の取得方法について解説をしてきました。
以下まとめていきます。
手作りジャムは農産加工食品に分類される
手作りジャムの営業販売に必要な資格や許可は2種類
- 食品衛生責任者をおく
- 営業の届出
食品衛生責任者になるためには、食品衛生責任者養成講習を受ける必要がある。
食品衛生責任者養成講習は2種類
- 会場型
- eラーニング形式
営業の届出は保健所に直接提出するか、食品衛生申請等システムからのオンライン申請
食品表示については
- 原材料、添加物は必須
- 期限表示は任意
- 成分表示は任意
手作りジャムの販売を成功させるポイントは3つ
- 魅力的な商品名
- パッケージデザイン
- 季節性・地域性のある商品
販売には以下を最初に進めると良いでしょう。
- マルシェ・イベントへの出店
- 自社のネットショップでの販売
ジャム販売をするまでの許可や資格の取得はそこまで難しいことはなく、この記事の内容を実践することで販売をするまでが可能になります。
ジャムを販売していく上で、決済やネットショップなども重要です。
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